Beauty is order, it is love, it is the universe.
美の原光景
美術家 伊東 昭義
水面から海底に目を移すと、そこは、煌めく魚たちが優雅に泳ぐサンゴ礁と言う名の楽園だった。その美しい光景に反して圧倒されたのは、命の《ざわめき》や《おののき》や《ものものしさ》と言った深遠な感覚だった。
それは、あらゆる雑念から解き放されられた時の感覚でもあった。さらに、海面が巨大なレンズとなり、太陽が水面まで引き寄せられて宇宙を身近に感じさせ壮大な感覚が加わった。
それら海底で感じた得体の知れない感覚は、実は、万物が発する波動というエネルギーだったのだ。この世に存在する全てのものは量子状態にあり、魚たちやサンゴや岩や海水などと共に、太古から蓄積されたエネルギーが加わったた膨大な波動だったのだ。
生命の原形が海中に出揃ったカンブリア紀を経て、人の意識は遥か宇宙の誕生へと一気に遡って行った。壮大な海中に身を置くことにより従来の芸術概念は一掃され、新しい概念が構築された。
それは、言わば科学を造形化し彩色して、命の全てを作品に封じ込めることになったのである。作品に『癒しとパワー』が同居していると言われることの所以でもある。
宇宙の誕生は絶対値であり美なのだ。その美とは秩序あり知性であり愛だったのだ。
GALLEY
国立アリナーリ写真美術館はこの秋、日本大使館の後援にて日本人アーティスト伊東昭義の『Underwater Dreams』展を行う。それは、未知なる色彩や歴史深い海中の自然の美を探求した芸術作品。国立アリナーリ写真美術館で […]
伊東昭義の際立った芸術性とその作品は、個展期間中に開催されたワールドオーシャンズデイを始め、その他、全ての催しの統合とも言える展覧会になりました。フランスの高名な海洋学者ジャック・イブ・クストーは次のような最高の賛辞を残しています。それは、正に貴殿のこの度の功績を讃えているようです。
伊東は私たちを、驚きと感動と筆舌に尽くしがたい美で満たされた作品世界へと誘い、今にも手を伸ばして触れてみたいと思わせるような「生命」と「色彩」と「造形力」に溢れた海中世界へと引き込んで行きました。
彼の作品に感銘を受けた私は、それ以来、自称「伊東昭義応援団長」を名乗り、米国立『スミソニアン』での個展への道筋を立てることにした。