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Beauty is order, it is love, it is the universe.
美の原光景

美術家  伊東 昭義

水面から海底に目を転じると、そこは、煌めく魚たちが優雅に泳いでいるサンゴ礁と言う名の楽園だった。水面を見上げると太陽の光が燦々と降り注いでいた。その美しい光景に反して感じたのは、命の《ざわめき》や《おののき》や《ものものしさ》と言った重たいものだった。それは、あらゆる雑念から解き放され冷静さを取り戻した時に初めて得られた感覚であった。太陽が水面で輝くのも、地球が丸く、海水が巨大なレンズとなって引き寄せたためだ。宇宙を身近に感じて壮大な感覚が加わった。

それらは、実は、量子力学による万物が発する波動エネルギーだったのだ。この世に存在する総てのものは素粒子で構成されており、光を伴った粒(素粒子)が波の性質を持ちエネルギーを発していたのだ。海底で感じた得体の知れない感覚は、岩やサンゴや海藻や魚たちに加えて太陽が発する波動エネルギーによるものだった。

生命の原形が海中に出揃ったのが5億5千万年前、37億年前には単細胞であるバクテリアが誕生し、地球は46億年前に誕生した。太陽が誕生したのが100億年前。更に138億年前のビッグバーンによる宇宙の誕生へと、人の意識が一気に遡って行くことになった。

壮大な海中に身を置くことにより、従来の芸術概念は一掃され《伊東アート》と言う新概念が生まれた。そのアートは、自然科学を造形化し彩色して作品に封じ込めたものになった。作品に癒しとパワーが同居していると言われることの所以である。宇宙の誕生は絶対値であり美なのだ。その美とは秩序であり知性であり愛だったのだ。

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